奇襲の果てに

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奇襲の果てに

俺は片っ端からブラスデーモンを切り付け薙ぎ倒していく。 途中危ない場面もあったが何とか切り抜けた。 魔法も使ったがほとんど魔法石に頼った。あまり自分の魔力を使いたくなかったからだ。 しかしー 今回は本当に数が多い事にびっくりしている。でも、何故この町だけを襲うのだろうか?分からないことが多すぎる。 この町に住んでいながらあまりこの町の事を知らない。“灯台元暗し”とはまさにこの事だ。 「!」 急に嫌な予感がしたので来た道を引き返し俺の家の前辺りまで来た。 「ラ…ラベリア!!」 見るとラベリアが地面に倒れ込んでいた。 急いで駆け寄り脈を計る。 「良かった!生きてる!」 俺はそういって呪文を唱えラベリアの傷を治す。 「シ…シュウ?」 「気が付いたか?何があった?」 俺は彼女を俺に寄り掛かるような体制にして言う。 「ブラスデーモン…力が…ウッ!」 喋ることさえままならないほどダメージを受けていたようだ。 「とにかく少し体力を回復させよう。」 俺はそういって無の魔法石を使い光の魔力を引き出しラベリアの体力を回復させた。 「ブラス…デーモンのなかに…物凄く…力の強い奴が…いたわ…」 「そいつは何処に行った?」 何とか喋れるようになったラベリアは弱々しい声で言った。 「多分…北の方へ…クッ!」 苦痛に表情を歪ませながら彼女は言った。 「わかった!だがお前をこのままには出来ないな。」 そう言うと俺はラベリアを抱き抱えた。 「シュウ…ありがとう。」 ラベリアを抱き抱えて歩きながらブラスデーモンを捜す。見た感じ、ほとんどのブラスデーモンは倒せているようだった。 「シュウ?」 「ん?」 俺の顔を見てラベリアはちょっと引いた顔をしているように見えた。俺の怒りが多分顔に出ていたんだろう。 「なんでもない。」 彼女はそう言ってそっぽ向いた。
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