奇襲の果てに

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「あそこに数匹いた!ラベリアここで待っててくれ!」 ラベリアを木陰に下ろしそう言った。 「わかった。」 ラベリアはそれだけ言うと寝息をたてて寝た。 「戦いの最中に寝る奴があるかよ…まあ多分あいつらだけだろうから良いけど。」 俺はボソッと呟いて剣を抜いた。 そして走り出し手前にいたブラスデーモンを切り倒した。 『グォォォォッ』 その声を聞いた他のブラスデーモンが俺に気付き突進してきた。 《氷の牢獄~アイス・プリズン~》 後ろから聞き覚えの有る呪文が聞こえた。マリアだ。 ブラスデーモン達は氷の柱に動きを封じられた。 「兄さん!援護するわ!」 「マリアか!わかった!助かるよ!」 俺はそう叫んで少し後ろに飛びのいて呪文を唱えた。 《我が体内に宿りし雷、炎よ我が声に答えよ!》 その間ブラスデーモンは呪文を唱えていたがマリアに妨害されていた。 《そして、二つの魔力を一つにして神にも勝る膨大な力となれ!》 俺は両手を天に翳し、魔力を放出した。 《雷と隕石~ライジング・メテオ~》 翳していた両手をブラスデーモンに向けて振り下ろすと、空から巨大な炎の鋺に似た岩が雷を纏って降ってきた。 「ズガガガガガッ」 大地をえぐり物凄い音を発して十数秒間ブラスデーモン達に降り注ぐ。 俺とラベリアとマリアはすぐに回避してなんともなかった。 「兄さん!あれやるなら早く言ってよ!」 「呪文聞いたら分かるだろ?」 「唱えるのが早いのよ!」 そんな言い合いをしているとラベリアが目を覚ました。 「シュウ、あれ!」 ラベリアが指を指した所に一匹のブラスデーモンが立っていた。
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