奇襲の果てに

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「今ので死ななかったのか!?」 俺は驚きのあまりに叫んでいた。さっきの魔法は上級魔法だ。それを受けて死なないのは炎属性の耐性がある中級から上級の魔物だけだ。 「あ、あいつよ!私あいつにやられたのよ!」 突然ラベリアが叫んだ。 「それならあの魔法を喰らっても生きている事はうなずなける。」 俺は剣を構えジリジリと間合いを詰める。 「ザッ!」 俺は思い切り右足で踏み込み一気に間合いを詰めて切り掛かった。 「パキィィン!」 俺の一降りでショートソードが折れてしまった。 「糞っ!しまっ…グァッ!」 ブラスデーモンは俺の隙を逃さず重い一撃を喰らってしまった。 「ドッ!」 後ろの大木に激突して俺は両膝を付いた。 「く…っそ!…父さんがくれた剣が折れたっ!」 俺にとってとても大事な剣だったから歯が立たない事よりも悔しかった。 「シュウ!使って!」 ラベリアが自分の剣を俺に投げて渡した。 「ありがとう…ウッ!」 ダメージを受けすぎたのかどうか分からないが剣が重く感じた。 「使わせてもらうぞ!」 その時俺に変化が起きる。剣を抜くとそれまで重かった剣が棒きれのように軽くなり剣が手に馴染んだ。 「良くはわからんが、勝てる!」 俺は勢い良くブラスデーモンに突撃して剣先をブラスデーモンに突き立てた。 「ドスッ!」 「グルァァァァ!」 刺した後ブラスデーモンは断末魔の叫びをあげた。
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