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養父母は贋作騒動の最中、マフィアと関わって行方知れず。生きているのか死んでいるのかさえ判らない。
この人たちだけは、あたしに愛情を分けてくれた。
注いでくれたんじゃない。分けてくれていただけ。
あたしに愛情なんていらない。お金もいらないの。本当は。
あたしがあたしでいられる、その存在を感じる事の出来るスリル。
冷静でいられなくなるほどのスリルをちょうだい。
冷めた目線で見える灰色の世界なんてもうたくさん……
パパの描く絵画のように、色とりどりに染められた世界。
少なくとも今はカラフルに見える。ここにいる限り。
人殺しだってもう感情から感覚へと変化しつつある。
死んでしまえば全ては物質と化す。悲しむのなんて生者のエゴだ。
それが少し早くなっただけ。
魂はいつまでも己の闇の中に留まり続ける。
それはあたしもそう。
だからあたしは闇のハンターとして存在し続けるしかないの。
生きている限り。
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