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当主ヨハン
ヨハンのいる別邸までくると、さすがに警備をする男たちの数も、屋敷の倍以上はいた。
入り口を固める男が四人。廊下を軍隊のように銃を片手に巡回している男が五人。
張り詰めた空気が建物全体に漂う。
あの男はこんな中で、安らぎを得られているのだろうか。
警備の男に通された部屋に入ると、ヨハンは力なく横たわっていた。
「おお、チャン・チャオミンか。こっちにきなさい」
あたしはヨハンに促されるままにベッドのそばまでくると、そこでヨハンは警備の男を人払いして、部屋はあたしとヨハンの二人だけになった。
一応、全てはカメラで監視されているので、下手な事は出来ない。
「ご主人様。お加減はいかがですか? 」
「もう少しこっち。儂の横に座りなさい」
あたしはヨハンの横、ベッドの端に座った。
「ものは相談なんだがな」
「はい」
「お前、儂の妻にならんか」
「え? 」
「何を驚いておる。それが目的だったのだろう? 」
「いえ、滅相もございません」
「お前は素直でいい。すぐに表情に出る」
あたしは慌てて両手で顔を覆った。
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