8人が本棚に入れています
本棚に追加
この日に歌う曲も、結婚式で歌ったのと同じ曲。
この曲の使われているドラマは意外に視聴率が高くて多くの人に知られているし、アルバムの中でも人気が高い曲だという選曲理由だ
俺達にとっても思い入れのある一曲なので、結構歌う機会が多い
番組が終了して楽屋に戻りながら、出演したアーティストと俺達は雑談をしていた。
気のいい人達ばかりで直ぐに馴染んでいく事ができた
それから立ち話に移り、茜が呼びに来るまでの30分も雑談に花を咲かせていた
それから楽屋に戻って俺達は荷物を纏めて外に出た
「お二人ともっ、車を持ってくるので待ってて下さいっ」
赤い眼鏡のフレームをすっと持ち上げてから茜は駐車場の方へと向かっていく
「じゃあ、俺もトイレ行ってくる」
俺は出発前に用を足しておこうと思い、ギターと小さな手荷物を望の足元に置いてテレビ局の中に戻った
―――――――
「一人ぼっち…」
テレビ局の前で多少は明るいにしても、充に置いていかれた私は少し寂しくなってポツリと呟く
そこに一人の男が軽い足取りで近付いて来ていた。
足音で気付いた私は反射的に音のする方を振り向いて身を構えた
最初のコメントを投稿しよう!