第一話 あの日の夢

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  今日もいつもの通り木の上で寛ぎ、授業をサボっている。 先生には悪いけど、独りになりたかった。 木漏れ日に目を閉じ、耳をすませる 風の音がする。 草が揺れる音がする。 片目しかない瞳を少しだけ開ける ここは平和だ… なんて思ってしまう。 それと同時に、こんな平和な所に私が居て良いのだろうか…とか、色々思ってしまう。 「……こんなゆったりした時間は“あの時”以来かな…」 木漏れ日が眩しい。 手で影を作りながらその光を見る。 「遊幻にはちゃんと見えてるかな…この光…」 私には少しだけ、霞めて見えるよ…  
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