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転校生が先生の言葉に促され教室に足を踏み入れると「あぁぁあ!!」と教室の奥、窓際辺りから驚きの声が響いた。
クラスのみんなは一斉にその人物を見る。
――――アカリだ!!
「何で……アイツが……」
先程まで転校生に全く興味がなかったアカリだが……
今は驚きの余り座っていた椅子から立ち上がり目を丸くしている。
転校生はそんなアカリの事など気にも止めず教卓の所にいる先生の隣まで歩み寄った。
「あの人知ってる!」
「オレも知ってる!朝シャドーを倒した奴だよな!?」
――――そう。
その転校生は朝、アカリを助けシャドーを倒した黒髪の男だった。
黒髪の男の思わぬ登場にクラス全体がザワザワ落ち着きを無くしている中……
担任の先生……シグレ先生が「静かにしなさい」と声を荒げた。
「アカリさんも席に座りなさい」
アカリはシグレ先生の言葉に我に返り、自分が立っている事に恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤に染めると静かに席に座った。
「ふぅ~すっかり有名人ね。
じゃあ……自己紹介しましょうか」
シグレ先生はそう転校生に言うとニコッと笑みを零し、自己紹介を促す。
「転校してきた……神崎蓮です。レンと呼んで下さい」
レンは単調な口調で自己紹介をすると軽く頭を下げた。
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