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レンは振り返った瞬間……不思議そうに正視している赤い髪の女の子に「大丈夫!?」と声をかけようと思った。
しかし、言葉は喉から外に出ず「邪魔」と言う言葉が代わりに赤い髪の女の子に届く。
何故大丈夫じゃなかったのか?
其はこれ以上人と関わる事を避けたかったからだ。
冷たい言葉を吐けば、人は自分から離れて行く。
――――レンはそう考えた。
赤い髪の女の子はレンの思わぬ言葉に驚きを隠せず目を丸くしている。
――――その時
シャドーからレンに対して、身の毛がよだつような殺気が放たれた。
レンは直ぐ様シャドーに視線を戻すと、黒刀を身構えた。
後ろで赤い髪の女の子が何か言いかけているが……。
それよりも先に怒りで我を忘れたシャドーが腕を伸ばし襲いかかって来た。
それからは、皆が知っての通り、シャドーを一刀両断し何事もなかったように学園に登校したのだが……
赤い髪の女の子を助けた事で登校中、沢山の人の注目を一身に浴びてしまっていた。
そして、教室でも……
レンは、はしゃいで喋りかけてくるクラスの女子にどう対応していい分からなかった。
人と関わる事を避けて生きてきたレンに取って最も苦手な事だったから。
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