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エロ魔神は女子達に囲まれている事を想像しているのか……鼻の下を伸ばし、目線が上を泳いでいる。
そんなエロ魔神を見て苦笑いをしていると「はっ」と何かを思い出したのか、エロ魔神が口を開いた。
「あっ……わりぃ。
自己紹介がまだだったな。
オレは『エロ魔神』こと安藤 京介。
キョウって呼んでくれ。
よろしくなレン」
エロ魔神……いや、キョウは自己紹介をするとレンに向かって右手を差し出してきた。
レンは一瞬躊躇したが、此処で手を出さない分けにもいかず、「よ、よろしく」と言うと右手を差し出した。
「うし!
これで今日からオレとレンは友達な」
そう言うとキョウは嬉しそうに笑みを浮かべた。
だが……レンは余り嬉しそうではなかった。
時期が来たら転校する……友達が出来たとしても離れていくだけなのに……
そんな事を考えていると「あー」と突如キョウが声を荒げ叫んだ。
「やべ! 忘れてた……
今日、用事があるんだった。
レン悪いな……先帰るわ」
そう言うとドタバタと帰る支度をし、鞄を持って慌ただしく教室を飛び出していった。
それにしても、キョウは誰から見てもイケメンでモテそうなのに、勿体無い……
助けてくれたとはいえ、きっとあの性格が邪魔をして女の子を遠ざけているのだろう。
レンはキョウが教室から出ていくのを見守り、これからの学園生活の事を思い「はぁ~」と一度溜め息を吐き、帰るためレンも教室を出て行く。
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