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アカリとユキだけでなく、次々とクラスの女子が教室の外に出ていく。
男子は教室の後ろに集まるとガヤガヤ騒ぎながら、それぞれの白の上着と青い白のラインが入った短パン……体操服に着替えだした。
実技の授業を受けるのが、其ほどまでに楽しみなのだろう。
そんな中、まだ1人だけ席に座り、窓から外の景色を眺めているレンに気付いたキョウは「レンも早く着替えろよ」と声をかけた。
レンは「えっ? あぁ」と一瞬戸惑いの表情を見せたが、直ぐにスッと立ち上がり、体操服に着替える為、着替えているみんなの輪に入って行く。
(はぁ……1人になりたいのに……)
そんな事を考えながら、体操服に着替え終わったレンは教室から出るためドアの方に歩きだした。
すると、ずっと待っていたのか……先に着替え終わったキョウが腕を組ながらドアにもたれ掛かっている。
「ほら! レン早くいこうぜ」
レンは何故かこの時、変な感覚に襲われていた。
人を避けて生きてきたレンにとって、誰かが自分の事を気にかけてくれている……
そんな経験が今までなかったレンはモヤモヤした変な気持……気分を体験したのだ。
モヤモヤした変な気持に襲われたレンは立ち止まり、一瞬ボ~ッと立ち竦んでいたが……
「早くしろよ」と言うキョウの言葉に我に返り「ごめん」と言うとグランドに向かう為、キョウと一緒に歩きだした。
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