使い魔

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 キョウの後ろを付いて行き、グランドに脚を踏み入れると……  肌を焼くような日差しがサンサンと降り注ぎ、この国特有の蒸し暑さを作り出している。  そして、グランドにはサッカーゴールが左右対象に置いてあるのだが……  そのサッカーゴールも遠くから見据えているレンの目からは、地表からの熱気にやられユラユラと滲んで見えた。  グランドの真ん中には、実技の先生と思われる体格のいい坊主頭の先生が授業の準備を進めていた。  しかし、流石に暑いのか上は白のタンクトップに下は黒の短パンを履いている。  その周りには教室を先に出た、女子や男子がガヤガヤ言いながら集まっていた。  そんな様子を遠目から見ていたレンに……『エロ魔神』ことキョウがむさ苦しい雰囲気を醸し出しながら歩み寄って来る。 「なぁ、レン…… この学園には、夢がないと思わないか? 夢が!! 何故女子はブルマじゃないんだーー」  レンは悲しそうに叫ぶキョウにどう反応したらいいのか分からず「ハハハッ」と苦笑いを浮かべている。  グランドの真ん中に集まっている女子は男子と同じ、半袖の白の上着に青い白のラインが入った短パンの体操服を着ていた。  クラスのみんなが集まるグランドの真ん中に行く途中……  キョウはまだ「あぁ……ブルマ……」と呟きながら、重い足取りで歩いていた。  
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