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「生きろレン。
――お前は生きるんだ!!」
激しい戦闘が行われたのか、木々が無惨にも倒れ、一部の倒れた木々はバチバチと音をたてながら激しく燃えている。
そんな戦闘の残り火で赤く染まる森の中……
1人の男が戦闘が行われたと思われる場所の中心で、仰向けで倒れている。
その傍らには、両手で倒れた男の手を握る幼い少年が、怪しく光る紫の瞳から一筋の涙を流し「とうさん……とうさん……」と語りかけていた。
しかし、倒れた父親からは返事が返って来ることもなく、次第と語りかける言葉が小さくなっていく。
幼い少年は、自分の事を見守るように見下ろしている星空達に背を向け、涙を堪えているのか唇を噛み締めていた。
だが、次第に大粒の涙は意志とは反対に止めどなく流れていく。
幼い少年は泣き叫んだ。
何処にもぶつける事の出来ない感情を胸に……ただただ泣き叫んだ……
『わぁぁああ……』
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