転校生

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  ***** 「アカリ!! 早くご飯食べなさい」  アカリと呼んだ赤く長い髪を後ろで一つに束ねたエプロン姿の母親は台所を忙しく動き……  目玉焼きや味噌汁などの朝御飯をテーブルの上に2人分並べていく。  そんな中、アカリと呼ばれた女の子は鼻歌を奏で……  肩まで伸びた薄く赤い髪をリズムに合わせながら揺らし、席に座ると「頂きます」と手を合わせている。  アカリはこれから学校なのか、白と青のセーラー服を着ていた。  顔は綺麗に整った顔をしているが、キレイ系ではなく、どちらかと言うと可愛い系である。  台所を忙しく動いていた母親は一段落したのか、自分の席に座り手を合わせた。 「アカリ。今日から始業式なんでしょ?」  母親はアカリに質問しながら、テレビのリモコンを手に取り電源をつける。 アカリは「そうだよ」と軽く返すと、 母親がつけたテレビの方に視線を向けた。 「ちゃんと宿題終わらせているの?」  アカリは黙々とテレビを見ながら頷き、軽く返事を返している。  母親は一度「はぁ~」と溜め息混じりに、アカリが見ているテレビへ目線を移した。  
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