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アカリとユキは反射的に後ろを振り返った……
すると、信じられない光景が目に飛び込んで来る。
それは、朝ニュースで流れていたシャドーが姿を現したからだ。
先程ニュースで説明していたが、シャドーは動物や人間の形をしている。
今、目の前に現れたシャドーは人に近い形をしていた。
大きさは太く高い、身長は3メートルもあり、がっちりとした体格をしている。
「何でシャドーがこんな所にいるのですか!?」
ユキは冷静な表情なものの、突如として現れたシャドーに困惑していた。
その困惑した瞳に映っているシャドーの前には、叫んだ女の子が、追い詰められ震え固まっている。
巨体を前に震える小さな身体は正しく小動物のようだった。
その様子を視界に捉えたアカリは、咄嗟に震える女の子目掛け駆けだした。
だが、その行動は余りに危険な行為で不安を抱いたユキは思わず、制止させようと声を張り上げる。
「アカリちゃん、駄目!!」
----しかし
その想いはアカリに届く事はなかった。
シャドーは震え固まっている女の子を正視し、片腕を女の子目掛け掲げる。
----すると
瞬く間に片腕が伸び、女の子目掛け襲いかかった。
女の子は動く事が出来ず、ただ目を瞑る事しか出来なかった。
----ドカッ
だが、何かを殴る鈍い音が響く最中、悲痛とは違うアカリの言葉がシャドーに届く。
「--いたたた……
大丈夫?」
アカリは女の子を抱きかかえ、その場に倒れ込むと、シャドーの攻撃軌道上から逸れたのだ。
そして、女の子を庇うように起き上がったアカリの瞳には……
硬いアスファルトが砕かれ、破片が飛散してる傷跡が映っていた。
(--当たるとヤバいわね)
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