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仕事を終わらせた俺は、いつも通りまっすぐ家に帰った。
辺りは既に、日が暮れている。
家で待つ恋人の為に、出来るだけ早く帰ることを心掛けている。
山に沿って作られた街だから、坂道が多い。
俺と彼女が住んでいるアパートも、急な坂の上にある。
彼女は汗をかくことが嫌いだから、一人で出歩く事はあまりない。
いつも部屋の中にいる。
元々低血圧なのもあるし、日光アレルギーなのも理由だろう。
長いコンクリートの階段を昇っていく。
車を買うことも考えたけど、たまに買い物に行くくらいで車を買うのは勿体ない。
仕事場は近いから、バスで行ける。
階段を昇り終えると、広い公園がある。
その向こうがアパートだ。
少し錆びた鉄の階段を昇り、2階の端。
203号室が俺と彼女の部屋。
俺はドアに手をかけた。
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