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ある日の昼休み…
彩は薫と一緒に三組へ向かっていた。
お礼を伝える為、彩は少し緊張してぎこちない顔をしていた‥
「彩~!スマイルスマイルッ!」
薫が笑顔で言った。
『ケド…、やっぱ無理~!!!』
彩の心は『会いたいし・話したい』で埋め尽くされていたが、反応がどぅなるのか『怖いっ!』で押しつぶされそうになっていた。
「彩~、恋ってさ最初突然自分の中で起こってそれをどんどん成長させると告白とか変わるんだと薫は思うんだ!
恋にもさ、成長しない場合と成長する場合が有るんだと思う。
自分の気持ちへもっと向き合って大事に行動に移すのは今、やれる一つのアピールなんぢゃないかな?」
薫は、優しい言葉で彩を諭しながら、橋渡しをしてくれた…
「そぅだよねっ!私をもっと伝えて良いんだよね!」
「勿論だよっ!彩を見て貰って、彩に印象抱いて貰わなきゃ自分が可哀相だよっ♪」
彩は、自分に力を込めて三組へ着いた時にはオドオドなんてしてない、しっかりした彩に戻っていた。
「美喜~♪」
薫の呼び声に美喜は友達との会話を止め、直ぐにこちらに来てくれた。
「今ね~、教室に居ないの‥」
彩は、緊張を解かれ肩をスッと撫で下ろしたが、居ない事の淋しさがじんわりと出てきた。
「多分、いつもの流れならばもぅ少ししたら階段登って教室に入るはずっ」
美喜は、私の為にわざわざ日頃の琉クンの行動をチェックしててくれたみたいだ‥
彩は、心から美喜に感謝をした…だって、時間見ながら話す美喜を見たら絶対自分の時間の中に彩を思い、琉クンの流れを調べてくれてたはずだからだっ!
「来たよ~、彩っ♪」
美喜がにやついて、これからの展開にワクワクしてる素振りで肩をちょんちょんした。
一気に彩の背筋がピシッとなる。
「彩、頑張れっ!」
薫が同じように先の展開をワクワクした顔をして言った。
『もぅ逃げちゃダメ……!』
彩は自分にそぅ言い放つと教室に入ろうとする琉クンに思い切って声を掛けた。
「琉クンっ‥!」
ふと、彩を通り過ぎて声を掛けられたのに気付いて琉クンがゆっくりとこちらに振り向く。
「んっ?なにっ?!」
琉クンが自分を見ている事に体全体で嬉しく、真っ赤な思いになりつつ、琉クンに聞かれているので自分を保つ為、とっさに後ろに手を回し、両手をぎゅっと握った。
したら、テンパった自分がほんの少しだが落ち着いて、琉クンに向かって答えた。
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