いつどこで誰に会えるかなんて分からない

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確かに、今日みたいな暑い日に道の上でずっと話すのは疲れる。それにおばさんはいつも来る時も急に来るけれども、帰る時もすぐに帰ってしまう。それだけ忙しい人なんだということは分かっているつもりだった。 でも、電話番号も住所も知らないので時間を取らせて欲しいなどという連絡も入れれなかった。 それでも、聞きたいと思うことがたくさんある今引き下がりたくなかった。だけど、あたしの反論よりもおばさんの言葉、行動の方が早かった。 「結衣ちゃん。来年のこの日にまた会うのだから、その時に話をしましょう。私は本当に忙しいのよ。今度は涼しいところでゆっくりと話しましょう。分かったわね?」 おばさんはそう言うとさっと後ろを向いた。 すると、その体型には似合わない速さで走りだした。  あたしは呆気にとられていた。おばさんの 速さにではない。そのおばさんの態度だった。 これをうまく逃げられたと言うのだろう。  その日からおばさんと呼ぶのをやめた。
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