0人が本棚に入れています
本棚に追加
異世界へ
翌日、あたしはいつものように学校に向かった。心の中ではあの人のことを考えていた。授業中も上の空だった。無意識に腕輪をさすっていた。
この腕輪は結局は何なのだろう。これを知るのはあの人だけ。あの人はあたしとの約束を忘れたのだろうか。あたしは12歳になった。なのに、玉は11個。年を取るにつれて
この玉は増やしていくという約束だったのに。
今はなぜその玉を増やさなくてはならないのか分からない。変な気分だった。
帰りの道。一人で歩く。またも無意識に玉を触った。数回触っているうちに、青い玉が光っているように見えた。
まさかね。目の錯覚よ。ただの青い玉よ。光るなんて。あの人のことを
考えていたから、ぼうっとしていただけよ。
自分に言い聞かせた。
そして、もう一度触れるとひもが切れた。青い玉が道路に転がる。きっとミサンガみたいなもので時間が来ると切れてしまうものだったんだ。あの人が来なかったのとは関係sるのかと思った。
その時だった。一瞬強風が吹いたようで
あった。自分の体が前に押された気がした。
それは気のせいではなかった。
体は道路を進んだ。途中でジェットコしてきた。なにもしていないのにどんどん進む。
左手首が身体の前に行き、手首に引っ張られている。足はどんどん回転して前に勧めさせた。だんだん足が痛くなってきた。
「いたーい。止まって。」
思わず叫んでしまった。周りの人には聞こえていないようだった。周りの人はかたまっているようだった。それは時が止まっているようだった。
前にもこんな経験があったような気がする。
いつの時だっただろう。学校帰るときに誤って階段から落ちた時のようだった。周りがゆっくりと動くように見えた。周りの人や階段の一つ一つすべてがゆっくりと見えた。自分はそれなりにスピードが出て転がっているのに、そんな変な気分を味わった。
今、自分はそんな経験をもう一度している。
周りは本当にゆっくりだ。どうしてこんな経験をしているのか分からない。
急に手首は下を向いた。身体が前に倒れそうになった。食い止めようとした。
「倒れる。」
っと思った。
顔が地面に着いてしまうと思った。左手が地面に着きそうになった。右手も前に突き出した。地面に両手が着いたと確信した。あたしの両手は地面ではなく、マンホールに触れた。
でも、そのマンホールに触れた瞬間周りが真っ暗になってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!