いつどこで誰に会えるかなんて分からない

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5月7日。 単調に生きてきたあたしには秘密があった。 それは秘密と言うよりもどうしてわからない自分についてのことだった。 それは左の手首についている腕輪。この腕輪について覚えている一番古い記憶は4歳の時の誕生日の次の日に、5月7日だった。 あたしは幼稚園から帰ってきて、道路で絵を書いて遊んでいた。そのころから、一人遊びをする子供だった。 「ぜぇぜぇ。」 変な声がしたので、パッと目をあげた。 目の前に知らないおばさんが立っていた。妙にきょろきょろしている。明らかに疲れているようだった。あたしはじっとおばさんを見た。声の主はおばさんだった。ふっくらとした頬の上は赤く、急いで走ってきたようだった。 おばさんはいきなりあたしの左手をもって、ぐいっとおばさんの近くに引っ張った。おばさんのおなかにぶつかった。びっくりしたあたしは何も声も出なかった。 おばさんはあたしの左手首に両手をのせてつぶやいた。何を呟いたかわからない。 おばさんは両手を取ると、そこには4つの青い玉がついた腕輪がついていた。電気が走ったようにびりっときた。 「間に合った。」 おばさんはほっとした顔で周りを見渡した。 それから、あたしの目をじっと見ながら 「これは絶対はずしてはいけないわよ。恐らく、まだあなたには取ることはできないと思うけどね。あと、この腕輪のことはだれにも言ってはいけないわよ。」 おばさんの目はオレンジ色のように見えた。まるで夕陽を見ているような輝きさえ持っていた。幼いあたしでさえそれを見て驚いた。こんな目を見たことなかった。 「さあさあ、お譲ちゃん、目をつぶって。」 おばさんはあたしの目を見ながら言った。あたしは目を閉じなくてはいけない気がした。むしろなにか目を閉じないと怖いことが起きるような気がした。あたしは急いで目を閉じた。 「1・2・3で目をあけるのよ。行くわよ。1・2・3.」 とおばさんが言った。 目をあけた。 おばさんはいなくなっていた
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