いつどこで誰に会えるかなんて分からない

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「お譲ちゃん。」 呼ばれたと思い、お医者さんの方に振り返った。そこにはさっき見た若い綺麗なお医者さんではなかった。白衣を着たあのあたしに腕輪をつけたおばさんだった。 「あなたの名前は優衣っていうのね。いけない子ね。あたしと約束したでしょ。腕輪のことは他の人に話してはいけないって。もう約束を破ったのね。」 おばさんは怒っているわけではなさそうだと思ったが、あたしはまた驚いて何も言えなくなった。 「そういえば、自己紹介してなかったわね。私の名前は大迫美祢。本当は次にあなたに会うのは来年のこの日の予定だったはずなのよ。でも、あなたが問題起こすから。私は予定がぎっしりなのに。」  あたしは確かにお母さんに腕輪をもらったことを話してしまった。でも、それがそんなに問題なの? そして、さっきから抱いていた疑問を言おうと口を開いた。 「あのう。さっきお母さんはあたしの手についている腕輪が見えないって。」 どうしてと言う前に、 「あら。言ってなかったかしら。その腕輪は他の人には見えないのよ。それと同じものをつけている人にしか見えないのよ。」 言ってないと言おうと口を開きかけたとき、おばさんは左手首を見せた。そこにはたくさんの青い玉がついた腕輪がついていた。 「この青い玉は年が増えるごとに一つ増やすのよ。来年のこの日にまたあなたと会って、あなたに青い玉をつけてあげるのが、私の仕事なの。」 「なんであたしにつけるの?」 「それはね、これが魔除けだから。これを取ると悪いことが起きるのよ。だからこれは取っちゃだめなのよ。取るのは、私が青い玉をつけるときだけ。良いわね。」 まだ、聞きたいことはあった。
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