いつどこで誰に会えるかなんて分からない

7/13
前へ
/23ページ
次へ
しかし、急に病室のドアが開いた。 お母さんが入ってきた。 「なんでこの病院に来たんだっけ?なんだか忘れれちゃったわ。優衣。帰るわよ。」 あたしは唖然とした。口がぽっかり空いてしまった。お母さんの変貌にびっくりした。さっきまで泣いていたのに、今はとっても笑顔だった。  お医者さんのほうを慌てて振り向くと、今度は若い綺麗なお医者さんだった。 「優衣ちゃんは特に何も問題はありませんよ。どうぞお帰りください。」 あたしは椅子から降りて、お母さんと病室を出ようとしたときにもう一度お医者さんを見た彼女は口に指をあてて、あたしにウィンクしてきた。 それから、毎年彼女に会い続け8年。 今日が彼女に会う日だ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加