74647人が本棚に入れています
本棚に追加
「琥珀!ダメ!」
[は!面倒だ。]
俺は溜息をついた。
「コウちゃん?一体、どうしたの!」
「急に、様子が変わったぞ?」
「何が起こった?」
「コウの様子が変だぞ?」
家族は口々に不安そうに言うが、琥珀が怖くて中に入れない様子だった。
俺は苦笑して琥珀の背中から降ろして貰った。
畑の中に手を当てると種に話しかける。
「お願い。力を貸して。」
俺がそう言った途端だった。
心に喜びのような感情が流れ込んで来て膨れ上がる。
それと同時に地面から無数の蔓が伸びた。
家族が悲鳴を上げる。
その蔓の中の数本が次々に俺に絡みついたからだ。
「おお!」
俺は驚きの声を上げたが、何故かちっとも怖いとは思わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!