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「お腹が空いてるのは、皆一緒ですよね?
それに、あんなに沢山。全部は食べきれないです。
だったら、皆で分けて少しづつ食べた方がお腹一杯になるより良いかなって思いますから。」
そう言って笑顔になる俺に両親も笑顔になって俺に言った。
「お前は俺の自慢の息子だな。」
「本当に。素晴らしい息子を授かったわね。」
そう言って笑顔で俺を見つめる両親に俺は頬が赤くなるのを感じて慌てて振り返って琥珀に言う。
「行くよ!琥珀!」
琥珀は口元を歪めた後、俺の首根っこを咥えると言う。
「背中から落ちるとやっかいだからな。おとなしくしてろよ?」
俺は溜息をついた。
[小さい手足じゃ、しょうがねえよな。]
俺は身体を小さく縮めた。
[心配しなくても子供は直ぐ大きくなるものだ。]
俺を咥えたまま、軽々と飛び跳ねて琥珀は走り出した。
後ろで楽しそうな笑い声が起きた気がしたが、あっと言う間に遠ざかってしまった。
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