第一章

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『友達になりませんか?』 なんだこれは。 下の方に怪しいサイトのURLでもあるのかと思いスクロールしてみたが、なにもない。 そこでふと、1人の友人の顔が浮かぶ。 わたしの友達にこういうイタズラをしそうな人が1人いた。 「綾香だな。凝ったことするんだから」 そんな小さな思い込みから、わたしは何の疑いもなく返信をしてしまった。 『アドレス変えたの?』 返信が来るまでの間、アドレスを確認してみる。 “tonbo.xday@〇〇〇.ne.jp” トンボ? すいぶん季節外れだなあ。 今は夏。 もちろん、まだトンボなど見かけることもない。 そんなことを考えていると、携帯が再び震えだした。 綾香はきっと、なんでわかったの~?なんて、とぼけていってくるに違いない。 綾香は今の職場の同僚だが、仕事中もなにかとイタズラをして、ケタケタ笑っている、自他共に認めるいたずらっ子だ。 きっとSで間違いない。 いや、ドSに違いない。
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