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「梨花、なにそのやつれた顔……?」
出勤するなり、同僚の斉藤綾香に顔を指摘されたが、小さく「おはよう」とだけ返し、わたしは給湯室に向かった。
マイカップにコーヒーを入れミルクを注ぐと、きれいな薄茶色へと変化する。
それを一口、口に含むと、自然とため息が出た。
「ひどい顔してるけど、なにがあったのよ?」
振り返ると入り口にもたれ掛かった綾香が、腕を組んでこちらを見ていた。
「……綾香のバカ」
じとーっと見つめ返してから、そうボソッと呟くと、綾香の顔が一瞬で鬼に豹変した。
こわっ!
あまりの豹変ぶりにたじろぎ、ついつい「今日、仕事が終わってから話す」といってしまった。
「全部いってもらうからね」
ひとまず納得したらしい綾香が席に着くのを見てから、わたしもコーヒーを持って席へ向かった。
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