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『眠い…』
彼は授業をサボって屋上に寝転んでいた。
『はぁ…暇だなぁ…』
そう呟き、雲一つない空を見上げた。
暇潰しになりそうな物を探して、ポケットに手を突っ込んで中を探った。
だが、ポケットの中には100円玉が二枚と、爆竹だけ。
そういえば昨日は花火したな…。
その時のお釣りと爆竹だけか…。
さすがに学校で爆竹はまずいよな…。
そう思った彼は、100円玉と爆竹をポケットに戻した。
こうやって授業をサボっては、屋上で日向ぼっこをするのが彼の日課だった。
一応、高校生にはなったが、将来の目標は何もない。学校の授業だってつまらない。
どうせ授業なんか受けたって眠くなるのがオチだ。
自分で言うのもあれだが、将来に何の希望も持てない学生である。
こうやって毎日をなんとなく過ごすのが自分にはお似合いだと思う。
でも、そんな簡単にはいかないらしい。例えどんな生き方をしようと、邪魔者は付き物だ。
「なにしてるのかな~? 一久(かずひさ)くん?」
やっぱり邪魔者は付き物だな…。
一久はだるそうに起き上がり、屋上の扉の前に立つ人物を見つめた。
『四葉(よつば)か? 眼鏡ないから分かんないや』
「声で分かるでしょ!!」
四葉は怒鳴りながら一久に近づき、一久の前でしゃがんだ。
「なんで授業サボったの!?」
四葉は一久に怒鳴った。
理由なんかあるわけないだろ?
答えるとしたら、なんとなくとしか言い様がない。
ん?
『…下着見えてるよ?』
「はい?」
『だから、下着見えてるって。シャツは汗で透けてるし、しゃがんでるからスカートの中も見えてる』
慌てた四葉は、顔を真っ赤にして立ち上がった。
『白か…。清楚な感じでいいんじゃない? 少なくとも俺は嫌いじゃない。じゃあ、おやすみなさい』
一久はまた寝転んだ。
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