酒(仮題)

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俺は足早に歩いていた。 なぜなら、最終電車に間に合わなくなってしまうからだ。 なぜ俺は最終電車に乗りたいのか。 その理由は至極簡単なことである。 早く家に帰りたいからであった。 別にみんなで飲みに行くのが嫌いなわけではない。 飲みに行った後が嫌いなのだ。 まず、二次会でカラオケに流れこんで行くのが嫌だ。 そして、酔っぱらった社長や早瀬とかの介抱がさらに嫌だ。 自分の飲みたいぐらい飲めないので(主に後者)俺はこういう飲み会は厄介事に巻き込まれないうちに退散することにしていた。 「草野さーん。待ってくださーい」 後ろから名越さんの声が聞こえた。
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