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そして、この千本桜の能力は『刀身を無数の桜の花びらの様な刃にする』事。
某空想を科学する本で説明されていたが、『無数のカッターの刃が意思を持って襲ってくる』……こう説明すると、その恐ろしさが伝わるのではないだろうか。
俺はこの能力を使い、こちらに向かい飛んで来ていた壁の破片を1つ残らず塵に変えた訳なのだが……。
これをあの男に説明した所で、斬魄刀って何だよと言う話しになるので、説明しても面倒くさいだけなのだ。
なので、この男に対する返答はと言うと……。
「兄に答える義理は無い」
何だかんだでテンションが上がってしまい、白哉口調になった事については反省はしている。後悔はしていない。
頭の中でそんな事を考えながらも、千本桜にはちゃっかりあの男を襲う様に命じていたりする。
「……ッ!! 畜生ッ!!」
男は優雅に空を舞いながら自分に近寄って来ている千本桜に気がついた様で、咄嗟に呪文を唱え足元からまた岩の壁を生やした。
「ハッ! これで……なっ!!? ぐわぁぁぁ!!!」
……だが千本桜の前にはそんな壁など意味をなさず、瞬く間に塵へと変えられ、男は無数の刃に襲われた。
しかし、俺は壁を消失させた時点で攻撃対象を男から男の周りの地面に変更しており、そのため男はかすり傷位はあるだろうが大した傷はおっていない。
流石にこの量の刃を浴びればただではすまないだろうし。
まあ、代わりに地面の方は見るも無惨な事になっているが。
「……格の違いが理解出来たか?」
今の攻撃は、俺が故意に外していなかったら勝負はついていた。
ここまでやればこの男も実力の違いを認め、アンリさんに謝り、殺される事も避けられるだろう。
……と、思っていた時期が俺にもありました。
「はぁ!? お前が外したんだろ!? 当たっていたとしてもこんなのでダメージなんて受けねぇけどなぁ!!!」
……どうやら男はあの壁が軌道を反らしたと考えている様で、全く実力の違いを認め様としない。
……まずいな。
この男の命もだが、こいつに実力の違いを教えないと俺までアンリさんに殺されかねない。
……仕方ない。
可哀想だが……もう少し追い込むか……。
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