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「それは……その……」
「無いでしょう? ならユウスケのとこに聞きに行くしかないじゃない」
「しかし、それでは……」
「……わかったわよ、今日はちゃんと早く帰ってくるから。それなら、良いでしょ?」
「……本当ですか?」
「王女の言うことが信用出来ないの?」
「実は……」
「えぇ!?」
「冗談です。わかりました、それなら問題ありませんね。ちゃんと『仮面ライダー様』にお礼を言わないといけませんよ?」
「…………わかってるわよ」
「フフッ。それでは、陛下をお待たせする訳にはいかないのでそろそろ朝食に向かいましょう」
なんかからかわれた気がするけど……まぁ良いか、お腹空いちゃったし。
早くパパのとこに行こう。
「すいません、これくらいの長さの棒無いですか?」
パパのところに着いたら、ユウスケも一緒に居て、一緒に朝食を食べる事になった。
その中で、ユウスケはナイフとフォークの扱いが下手だなんて考えていると、急に持っていたフォークを置き、待機していた執事に話しかけ始めた。
「はぁ、あることにはあるでしょうが……そんな物を、何にお使いになられるのですか?」
「いや、まぁ……ナイフとフォークじゃ食べにくいので……」
「……? わかりました、直ちに用意させます」
数分も立たない内に、その執事はユウスケが言ったような棒を2本どこからか見つけだして持ってきた。
さすが、仕事が早い。
「お待たせいたしました」
「うお、早いですね。……おお、丁度良い長さじゃないですか」
「恐れ入ります」
「……ねぇユウスケ、それは何に使うの?」
「あー、見たらわかりますよ。それじゃあ、改めていただきます」
ヒョイっと、驚く事にユウスケはその棒を上手く使い、切り分けられていた魚のムニエルを掴み、口に運んで行った。
「えっ!? それどうやってるの!?」
「特殊な食事の摂り方だ……。何かのトレーニングなのか? ムラエダ殿」
「いや、故郷では食事はこうやって摂るんですよ。これは箸と言います」
「ほお、それは興味深いな」
「失礼な様なら止めますが……」
「いやいや、ムラエダ殿も慣れ親しんだ食べ方の方が良かろう」
ユウスケって……面白いわね。
こんな人、初めて見たわ。
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