フォワライト王国のお姫様

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───────────── 視点変更 メル・フォワライト→村枝雄介 ───────────── …………ん? 閉じていた瞼を持ち上げ、ベッドから上体を起こす。 何か……胸騒ぎがする。 気持ち悪ぃ……なんだこれ? せっかく気持ちよく昼寝してたのに、これじゃあ台無しだな……。 コンコン。 ノック……誰だ? ベッドから降り、扉へ向かう。 一応、鏡を見て寝癖がついてないか確認をした。 「どちら様ですか?」 「私だよ。ゴクウ君、ちょっと良いかな?」 ケビンさん? 「はい、今開けますね」 扉を開け、訪問者を確認する。 見ていると心が静まる様な青の髪に、整った顔立ち。 声で解っていたが、やはりケビンさんだった。 「それじゃあ、お邪魔するよ」 「どうぞ」 「中々いい部屋だね。さすがはフォワライト城の客室だ」 部屋に入ったケビンさんを、とりあえず部屋に備え付けてあったソファーに案内した。 ケビンさんがそれに座った事を確認し、俺も向かい側に座る。 「急にすまないね。悩んだんだが、一応話して置いた方が良いかと思ったんだ」 「……なんの話ですか?」 「この間の悪魔の事についてだ」 ケビンさんが纏っている空気が、一気に真剣な物へと変わる。 「……まずは、悪魔には階級があると言うことを話しておこうか」 「階級と言うと……貴族や平民ですか?」 「いや、もっと単純だよ。最も力の強い悪魔達が上級。次が中級。その次が下級。各々の階級で、さらに3段階に分けられる。下の上、下の中、下の下……みたいにね」 「なるほど……」 「しかしこれはあくまで強さの階級だ。悪魔は一部の例外を除いて、平等と言うことになっている」 「……ケビンさんは、その階級で言うとどの位の強さなんですか?」 俺の質問を受けたケビンさんは、一旦口を止め、間を置いた後に言葉を発した。 「私の強さは、今の階級で言うと、上の上の位置に値する」 上の上。 ……つまり、悪魔の中でも最高クラスの実力か。 「だから、おかしいんだ」 「……何がですか?」 「私達を襲撃した悪魔の実力が……だよ」 悪魔の実力……?
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