フォワライト王国のお姫様

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───────────── 視点変更 村枝雄介(空)→村枝雄介(海) ───────────── 「貴様……我々を嘗めているのか?」 悪魔の軍勢を代表して、1体の悪魔が声に怒りを潜ませて語りだした。 「至高の種族の我々……悪魔が100体。それを、貴様等人間ごときが……たった2人で止めようと言うのか?」 この悪魔の怒りは、どうやらプライドを傷つけられた事からくる物の様だ。 「必要なら増やすさ。だけど今のところ、2人で充分だ」 「貴様ァ……」 悪魔のこめかみがヒクヒクと脈打つ。 かなり頭に来ている様だ。 大軍の中からも、やれ「殺させろ!!」だの「八つ裂きにしてやる!!」だの物騒な言葉が聞こえてくる。 「我々を嘗めた事……必ず後悔するだろう。……行けェッ!!!」 「「「「ウオオオオオオオオオオ!!!!」」」」 俺と話していた悪魔の指揮で、悪魔達の進軍が開始された。 空を飛びこちらに来るものもいれば、魚の様に猛スピードで泳いでくる者もいる。 そんな中、俺達2人組は、ゆっくりと余裕を持ち技を放つ体勢に入った。 2人の頭上に魔方陣が現れ、体を全て通過し、消えた。 構えに入った事で、俺達の体から溢れだした気が、辺りにシュンシュンと言った特殊な音を響かせる。 「か……め……は……め……」 「ビックバン──」 この2人の分身が、俺の影分身削減計画の大本命。 この海上ならば、辺りに壊れる様な物など何も無い。 前回の様に手を抜く必要も無い。 ……最も、この星自体を壊さない様に注意が必要だが。 「波ァァァァァァァァ!!!!」 「──アタァァァァァァクッ!!!!」 カッ!! 悪魔の大隊に直撃した銀河屈指の超戦士達の必殺技が、凄まじい衝撃波を辺りに撒き散らした。 ……まだ残ってるか。 今ので悪魔の数を5分の1程減らせた様だが……。 ……思ったより長く掛かりそうだな。 どうやら、今回の悪魔達は前回の様に弱い奴等ばかりでは無いようだ。 ……まぁいい。 あいつが城内に潜んでいる悪魔を見つけ出すまで……ここは俺等が持たせる。 「「行くぞ悪魔ァァァァァァ!!!」」 自身を鼓舞しながら、敵の元へと向かう。 フォワライト王国防衛戦が、今始まった。
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