フォワライト王国防衛戦

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───────────── 視点変更 村枝雄介(海)→ケビン・ハーリン ───────────── すげぇ……。 あの人数で悪魔の大軍を食い止めて……いや、むしろ押してやがる……。 モニターに映る、3つの激しい攻防を見ていた俺が驚愕していると、魔王の苦しむ声が聞こえた。 「ぐぅぅぅッ!!!」 「まだまだァ!!!」 自分から逃げる様に距離をとる魔王を追いつつ、ゴクウは空中に全く見たことの無い『砕』と言う文字を人差し指で描く。 「砕羽ァ!!!」 技の名前なのか、ゴクウが『サイハ』と叫ぶと、右腕の間接と手首の間から三日月を半分にした様な形状の炎の刃が現れた。 間髪入れずにその刃で魔王を切りつける。 ザシュ! 「チィッ!!」 ッ!! 魔王の体に一線、薄皮一枚だが確かに入った。 相変わらず、不思議だが強力な魔法を使う……。 「もう一丁ォッ!!」 流れを殺さずに、ゴクウがもう1度炎の刃を降り下ろす。 「2度も喰らうと思ったかァ!!」 魔王は、してやったりと言った顔で、刃の素手で掴みにかかった。 多少切れるとは言え、魔王の甲殻があれば問題無いだろう。 しかし。 フッ! 「なっ!!」 魔王が刃を掴む寸前、それが一瞬で消えた。 「オラァァァ!!!」 完全に虚を疲れた魔王は、ゴクウの後ろ回し蹴りが直撃してしまう。 腕を使いガードした様だったが、それでも数歩後ろによろけた。 「崩ッ!!!」 ゴクウはその隙に、今度は宙に『崩』と言う文字を書いた。 すると、現れたのは無数の火の玉。 『ナダレ』と呼ばれたその火の玉は猛スピードで空を駆け、次々と魔王に当たった。 ガガガガガガガ!!! 「くっ……奴はどこだ!?」 『ナダレ』が目眩ましとなり、魔王はゴクウの姿を見失った様だ。 その時、ゴクウは既に魔王の懐深くに潜り込み、技を放つ準備をしていた。 宙に描くは『焔』。 「焔群ァァァァァァァァァァァァッ!!!!」 『ホムラ』の炎はまるで蛇の様にゴクウの右腕に絡み付き、その右腕の拳が魔王の体を真芯に捉えた。
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