ステップアップ

2/5
前へ
/15ページ
次へ
「雅、おはよ♪」 いつものように話しかけてくる親友、桜。 そんな桜を無視して、私は歩き続ける。 「ねぇ、雅ってばぁ… もぉ… み・や・び!!」 ひたすら無視し続けると、桜は今までにないくらい大きな声で私を呼ぶ。 「桜…耳、痛い…。」 「雅が無視するからでしょっ!!」 桜は明るくて可愛くて…私とは間逆だ…。 何故私が桜と仲良くなったのかは、今でも分からない。 ただ一つ言える事は、彼女は心から優しい、私の大親友…という事だろう。 「ねぇ雅、高校楽しみだね♪」 今日は高校の入学式、そりゃぁ桜は楽しみにしていて当然だろう…。だって… 「早く会いたいなぁ///」 だって中学からの片思いの先輩が、その高校にはいるからだ。 私は名前も顔も知らない。 その先輩とは誰なのか全く見当もつかない…。 私は周りには興味がなく、クラスメートすらほとんど覚えていない程だ。 「早く雅にも合わせたいなぁ♪」 「まだ付き合ってる訳じゃないのに(笑)」 私はつい桜を見ていて笑ってしまった。 「そう、その顔だよ雅!雅の笑顔は誰よりも一番可愛い♪だから雅はもっと笑って!!」 桜はそう言って私を見て微笑んだ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加