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普通なら、自分は部外者であるので、ここで何か頼まれ事をする、と言う事はないはずである。
などと考えている自分を余所に、集落の人々は何やら相談をしはじめた。
おおかた、暴走した森の主を討つ方法か、森の主を鎮めるためにはどうするかを話し合っているのだろう。
他の人たちが相談事をしている間に、コルルタに森の主とやらの詳細な情報を聞いておく。
森の主は、遥か昔、森の民が森に住むよりも以前からこの森に生息していたらしい。
十分な知能を持ち、駆ければ風よりも早く。力を奮えば山をも砕くと言われていたらしい。
――山を砕く、は恐らく誇張だろう。でなければおじさんは既に帰らぬ人になっているはずだ。
そして、森の民が森に移り住む頃に、森に住まわせる代わりに生け贄をよこせ、と仰ったらしい。
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