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「店長の孫のオヌヌメ!!」
出入口付近に、そんな宣伝チラシが貼りつけてある家具があった。
色々と間違っている気がするチラシである。
しかし値札を見てみると、たったの500円であった。
──イイネ!
俺はすぐさま、そこら辺で店の品物を懐に隠していた男に声を掛けた。
その男は、品物をポケットに詰め込むのを止めてから笑顔で俺を振り向いた。
「なにかご用で?」
その男は、胸に「店長」──そう手書きで書いてある汚い名札を付けていた。
明らかにオーラがない男が店長で助かった。
田舎者の俺でも気後れしないで堂々と話しかけられる。
俺は、その店長に
「あの、それください」と申し出て、その家具を指差したのだった。
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