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俺が指差したのは、何の変哲もない──
こともない、不思議なソファーだった。
単純に500円であることにも惹きつけられたが、なんだか異様な雰囲気を纏っているこのソファーを何となく気に入ってしまったのである。
するとオーラ無し店長が、手をモミモミしながら俺に擦り寄ってくるではないか。
「お客様、お目が高い!!ついでに鼻も高い!!!」などと誉めちぎりながら、既にソファーを包装しはじめている。
俺は、その迅速な仕事ぶりを少し見直した。
そして中古ソファーの代金である500円を、店長に握り込ませたのだった。
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