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酒出は北方にそれを期待し、署長に聞かれないようにそれを言い含めた。
「よしっ、A班行くぞ」
会議の途中だが、時間が勿体無いと北方は会議室を後にする。
「酒出警部補。我々は」
「ヤジさん。慌てるなって」
八次が嫌う「ヤジさん」を、酒出は堂々と使う。最近では、これを訂正したりしない。
B班八次チーム。
こちらは、アルファホテル事件の情報を何でも良いので集める事。
ある意味、事件の終結が宣言された形になり、見逃されがちな事実を掘り下げて、事件の真相解明に勤める。
「警部補。それでは、謁見行為で警視庁からクレームが来ませんかね」
「署長、細かい事は言いっこ無しにしようや」
「しかし……」
「その辺りは、ヤジさんが上手くやってくれるだろ?」
渋る署長をなだめる為に、酒出は八次の名前を持ち出したが、八次は八次で面倒だと言いたげな表情である。
そして、B班も出動した。
残るは、C班。
C班は、後方支援。
各班の連絡や情報収集、その他の雑務などを担当する。
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