第三章 七年前の事件

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         1    酒出 太志警部補は、千葉北警察署にいた。  彼を説得したら、コンビを組んで捜査に当たらせて欲しいと言う、松本 菊乃巡査の願いは一応聞き入れられた。  オマケ付きだったが。  県警の柿崎警視は、酒出警部補のサポートに松本だけで無く、酒口 孝也巡査まで付けたのだ。  更には酒出の希望により、三人の活動拠点は千葉北署刑事課となった。  捜査本部の縮小。  その事実から、三人の活動拠点を県警内に置くわけにはいかず、市内の所轄署で都合の良い場所と言えば、松本と酒口の所属する千葉北署となる。  酒出にとって、二人の他にも顔見知りはいるし、署長の高見沢も扱いやすいタイプなので、これ以上ない活動拠点なのだ。  だが、それを喜ばない者も多数いる。  署長の高見沢。  八次刑事。  特にこの二人は、酒出の存在を疎ましく思っている。 「何で、うちの刑事課なんですか。別に、会議室でいいでしょうに」  八次は、神経質だ。  いかに実績があっても、酒出のやり方は気に入らない。
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