第三章 七年前の事件

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  「あぁ、高さんにも読めるように書けと、よく叱られたもんだ」 「酒出警部補。こんな物の為に、遅刻してきたんですか?」 「こんな物だと?」 「だってそうでしょ。誰にも読めないんじゃ、捜査の役になんて立ちませんよ」  刑事課の若い刑事の追求に、高桑との思い出や積み重ねた物を否定されたにも関わらず、酒出は口をつぐんだ。  どう見ても、彼が正しい。  それが分かっているから、酒出も何も言わなかったのだろう。 「じゃあ、事件を振り替えるとするか」  事態の収集を着けるべく、北方がそう提案した事で一同は会議室へと移動した。  そこには、二つの事件の捜査資料が既に揃っている。  会議室へと向かう途中、酒出は酒口を引き止め聞いた。 「おい、ヒヨコ。ノートは、用意してあるんだろうな?」 「勿論ですよ。昨日の時点で、新しいルーズリーフを用意して万全ですから」 「そうか、ならいい」  二人は、会議室に入った。  十数人が席につき、前の席に北方と酒出と署長の高見沢が座る。  高見沢は必要か。
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