867人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ、高さんにも読めるように書けと、よく叱られたもんだ」
「酒出警部補。こんな物の為に、遅刻してきたんですか?」
「こんな物だと?」
「だってそうでしょ。誰にも読めないんじゃ、捜査の役になんて立ちませんよ」
刑事課の若い刑事の追求に、高桑との思い出や積み重ねた物を否定されたにも関わらず、酒出は口をつぐんだ。
どう見ても、彼が正しい。
それが分かっているから、酒出も何も言わなかったのだろう。
「じゃあ、事件を振り替えるとするか」
事態の収集を着けるべく、北方がそう提案した事で一同は会議室へと移動した。
そこには、二つの事件の捜査資料が既に揃っている。
会議室へと向かう途中、酒出は酒口を引き止め聞いた。
「おい、ヒヨコ。ノートは、用意してあるんだろうな?」
「勿論ですよ。昨日の時点で、新しいルーズリーフを用意して万全ですから」
「そうか、ならいい」
二人は、会議室に入った。
十数人が席につき、前の席に北方と酒出と署長の高見沢が座る。
高見沢は必要か。
最初のコメントを投稿しよう!