第三章 七年前の事件

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   では、何から捜査するか。  一同は、酒出の出すであろう指示を待ち、与えられる捜査の重要性を予測する。  事と次第によっては、警視総監賞クラスの重要な捜査もあるのでは無いか。期待と不安が入り雑じり、数人は喉を枯らして緊張した。  あわよくば、手柄を。  所轄とは言え、刑事となった以上は手柄が立てたいし、あの酒口にいつまでもいい格好をさせてられない。  そんな気持ちも、少しはあるのだろう。 「酒出……」 「この中で、班を四つに分けて捜査にあたる」  酒出が発表した班編成は、このような形になった。  酒出、酒口、松本の三人は言わば遊軍。  北方率いるA班。  八次率いるB班。  残りが、C班となる。  班編成がなされると、酒出はそれぞれの班に役割分担をした。  A班北方チーム。  最近の高桑の行動や人間関係など、被疑者となった彼の人となりから、事件の背景を探る。  場合によっては、共犯者の存在など発見したいところ。  更に言えば、高桑が犯人では無い何かの発見。
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