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-バシュ!
空に信号弾がなった。今ので二発目、これであと一発。その前にエモノを追い詰めないともう後がない。
「ガンプ、急げ!」
「文句は馬に言ってくれ!」
俺は唯一無二の親友を見る。なんだってこんな老けた馬に乗ってきたのか。ディテクターバロンの初仕事で実績を残せない以上は、全て水の泡だ。せっかく貴族になったというのに。俺は焦っていた。
「先いくぞ!あとから来いよ!」
エモノは、国で禁止されている『召喚術』の使い手だそうだ。しかもその術を極める為にこれまで十人弱の幼児を誘拐し、生け贄にしてきた。なんのつもりかは知らんが、俺達貴族の末端がこれから先生き残るにはとにかく結果を残すしかない。というわけで、ヤバい仕事であればあるほど俺は燃えていた。
と、薄暗い灯りの影から、ワラワラと黒い集団が飛び出してきた。スパイダー(影人間)だ。召喚術のひとつ。ということは、ここは通されたら困る訳で、すぐ近くにいるということか。
俺は馬を飛び降り、腰に着けた新鋳のクリスタルブレードを抜いた。
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