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-ザシュッ!!-
剣の腕に自信があるわけじゃないが、スパイダーを五匹瞬殺した。真剣での斬り合いというのは所詮、先に懐に突っ込んだもん勝ちだ。命を惜しんで逃げ腰なるのが、逆に命取りになる。相手が生き物でないならなおさらだ。それに俺は急いでいた。
最後の一匹の始末に取りかかる。俺は魔力を剣に込めた。高純度のクリスタルは鋼のと比べ、魔力伝達係数とやらがスゴイらしい。要は効率よく魔力を技に代えるということだ。剣が勢いよく燃え始める。相手は槍を持っていた。掻い潜る危険は犯したくない。面倒だがさらにリーチの長い攻撃をするほかはない。
「喰らえ!」
一降りがそのままスパイダーに飛びかかり、影で形づくられた偽の胴体を両断した。
すると、黒いコートを纏った男が真後ろに現れた。異様な臭いと壺、典型的な召喚士だ。
「‥貴族の犬め!」
「犬じゃない、貴族だ!鬼ごっこは飽きたか!!」
そう。ディテクターバロン、つまり俺達は刑事男爵ってとこか。新首都ユートピアの治安を護る、五人の『貴族』の一人、それが俺だ。
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