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「はいよ、それにしても……董卓かぁ」
董卓……三国志において洛陽で暴虐の限りを尽くした悪党。
側近が呂布と同期だというのを利用し、呂布の義父の丁原を裏切らせ、最後はその呂布に殺された武将。
ぶっちゃけ現代では評判はあんまりよろしくない人物ではあるが……こっちは未来の知恵がある、いざ恋を裏切らせよう物なら即刻排除してやる。
「何呆けとるん? もう到着するで」
「んぁ? ……ってあれ? もうここまで来てたんだ」
深く考えてたせいで街を既に通り過ぎてしまっていたみたいだ。
先程の店が連なる路地から一変、目前にあるのは洛陽の心臓でもある皇帝が存在する宮殿。
まぁ皇帝と言っても董卓にすり替えられ、幼少であるが故に傀儡として扱われる存在だろうけど……なんか緊張する。
「行くで……まぁあんまり気張らんでもええから、何かあっても落ち着いて対処出来るように構えとき」
「うん、ありがと……兵士はここで別命あるまで待機! 」
兵士達には待機の命を出し、宮殿内へと入る俺達四人。
「書状を預かった張遼と呂布や、すぐに通してくれるか?」
いちいち止められのが面倒なのか門番が声を掛けられる前に身元を証明し……
「命は受けてます、こちらへ」
そしてそのまま案内されるがままに着いて行く。
この間僅か数分、もっと時間が掛かるかと思いきや流れ作業の様にスラスラと進んでいくのにちょっと拍子抜けだ。
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