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茶菓子と紅茶を用意してくれる。 でもまずはプリン。 ここでもオレは食べさせて貰わなければならない。 蓋を開けてスプーンで一口目をすくう兄貴の仕草をジッと見つめる。 「……。」 「はい、あーちゃん。あーん。」 さっきまであれほど楽しみにしていたプリンは思ったよりも味気なく、最後には機械的に口を動かしていた。 なんだろう。 兄貴には悪いけど、なんだか楽しくない。 時間が経つにつれて気分が沈んでいった。 「あーちゃん疲れたの?少し寝る?」 定期的に無言で窓の外を眺めているオレを気遣ってくれる。 一向に進まない時計の針に眠たくはなるけど、どうせ眠れないだろう。
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