LHR~放課後

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 まだ小さいころの話。両親に連れられてきた日本海に面した東港の一月一日午前五時半。空気は澄んでいて、初日の出を見るには絶景の場所だった。辺りには雪が積もっていて、幼い私は無邪気に遊んでいた。そして太陽が地平線から顔を覗かせたとき、日の出にかかる一本の塔を見つけてしまった。すぐに私は両親に「あれは何?」と聞いたが「何もないじゃないか」と、相手にされることはなかった。
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