黄金色の麦。

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空が紅く染まっていた。 「村が……」 「僕らの……」 「私たちの……村が……。」 森のはずれにある崖から3人の子どもが燃え盛る村を、空に浮かぶ巨大な空船を、それから放たれる赤き光線を、唇を噛み締め見ていた。 少年たちの村は長きに渡る戦争が生み出した孤児の子どもたちの村だった。 1人の心優しき男が行き場のない子どもを引き取ったのが始まりだった。 引き取られた子どもたちが大きくなり、その子たちが他の子どもたちの面倒を見ていった。 そして、大きくなった子どもたちは男に村を作ることを提案した。
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