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男は悩んだ。俺はこの子たちを守ることが出来るだろうか。この荒れた世界で。いや、もしかしたらこれは神様が用意した戦争で沢山人を殺した俺への……。
そして、男は村を作った。
男は山に囲まれた谷に村を作った。
男がそこに村を作ったのには理由があった。
この地域にはある伝承があった。
大いなる山のふもとに2人の兄弟が住んでいました。兄は勇ましく人柄も評判も良い力持ちの猟師でした。弟は優しく思いやりが強く頭が良い子でした。でも弟は思い病にかかっていて、いつも寝込んでいました。ある日の朝医者がいいました。弟は今日の夜が峠です。もう亡くなるでしょうと。兄は泣くのをぐっとこらえ弟に何が食べたいか聞きました。弟は子供のころお父さんが食べさせてくれた黄金色の猪を食べたいと言いました。それを聞いた兄と村人のみんなは黄金色の色の猪を探すために谷に入りました。ですが黄金色の猪は猟師でも目にすることさえ一生に一度あるかないかでした。
黄金色の猪は大変美味しく食べると怪我や軽い病気なら治るほど上手いと言われていました。黄金色の猪でももう治らないことは弟自身わかっていました。ただ、思い出の猪を死ぬ前に食べたかったのです。
黄金色の猪は夕暮れになっても見つかりませんでした。村人は諦めていましたが兄は諦めていませんでした。諦めず谷を探し続けました。それは偶然なのか神様がくれた希望なのかはわかりませんでしたが、岩から湧く湧き水を飲む黄金色の猪を見つけたのです。
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