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台本は初めて見たけど、原作を読んで役は分かっている・・・つもり。
私なりに想像したルシファーになりきってセリフを読む。
「オッケーだ!前の子よりも上手いんじゃないか?
これならすぐに録音できるな。」
どうやら合格したらしい。
「一発で合格とはね。あの監督、妥協しないから大変なのよ。」
へぇー。そんな気難しい監督さんに合格もらえたんだ。
「ではAパートからいきます!」
スタッフが声を上げる。
「さ、頑張って来てね。」
履き物を変え、録音用のブースに入る。
ブースの中では、足音が出ないよう履き物を変えるのだ。
防音ガラスの向こうで、スタッフが合図した。
正面のモニターに映像が出る。
さあ、もうすぐ出番だ。
私は画面と、声を宛てる人の口元を注意しながら見ている。
台本を感情を込めて読むことは出来た。
でも、それだけじゃ録音は成功しない。
画面の映像に合わせて声を入れなければならないからだ。
上手くセリフを言えても、タイミングが狂っていたら台無し。
当然、私にはその経験が無い。
だから、今、そのタイミングを声優の人達から学んでいる。
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