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複雑な作りの通路を歩き、収録するスタジオへ。
テレビ局は、テロリストの襲撃に備えてわざと複雑な作りになっている。
歩くのは構わないけど、すれ違う人たちが皆振り返るのは何故?
桶川さんはクスクスと笑ってるし。
「桶川さん、なぜ笑ってるのですか?」
「いや、やっぱりなぁって思って。」
「何がですか?」
「いや、ユウリちゃんの魅力はさすがだなぁって。」
・・・私の魅力?魅力なんてあったかしら?
桶川さんが笑い、私は無言で考えながら歩く。
少しして、目的のスタジオに着いた。
「桶川さん、ユウリちゃん、いらっしゃい!」
満面の笑みで朝霞さんが出迎えてくれた。
「今日は誘って戴いて、ありがとうございます!」
深々と礼をする。
「そんなに畏まらないでよ。ゆっくりと楽しんでいってね。」
大先輩なのに、気さくでいい人だ。
「朝霞君、ありがとう。何かあったら言ってね。力になるわ。」
朝霞さんは、手を振ってスタッフらしき人達の所に歩いていった。
「さて、観客席から見学しましょうか。」
桶川さんに促され、観客席に移動しようとした時だった。
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